高齢者の飲酒と健康21.11.16
高齢者にとって過度の飲酒は健康寿命に関わる病気の強力なリスク因子です。特徴として自身の退職や配偶者の死などのライフイベントが飲酒量を増やす原因となります。生き生きとしたライフスタイルを維持し、「節度ある適度な飲酒」を守ることが肝要です。
1. 高齢者における飲酒問題
高齢者の約15%に飲酒が関連した何らかの健康問題があり、3%前後にアルコール依存症が認められます[1]。吉田兼好も随筆徒然草の中で酒の効用を「百薬の長とは言へど、よろずの病は酒よりこそ起これ」[2]と記しています。その通りで過度の飲酒は肝臓病だけの身体問題にとどまらず(「アルコールによる健康障害」の項目を参照)、万病の元となります。まずご自身に飲酒問題があるかどうか、新KASTやAUDITといったテストをすることをお勧めします。
飲酒量と「よろずの病」の間にはさまざまな関係があり、Jカーブ(「飲酒とJカーブ」の項目を参照)がその代表です。酒の量が適切な量で収まっている間はよいのですが、その量を超えると様々な疾患に悪影響を及ぼします。その量とは1日平均純アルコールで20グラム程度の飲酒で、ビール中ビン1本、日本酒1合に相当します。高齢者ではこれよりさらに少ない量が推奨されています(「飲酒のガイドライン」の項目を参照)。
厚生労働省e-ヘルスネットより…詳しくは…https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-04-001.html